読書生活 

本もときどき読みます

吉村昭

ブログを書くために本を読むっておかしくない?

2019.3.08から、1年半ブログを更新しませんでした。理由は、読書が楽しめなくなったからです。読書が先、ブログが後、だったのに、アクセス数やら、更新回数を気にし始めると、だんだん、ブログを書くために本を読むようになっていたんです。ブログを書くた…

自殺したら負けとか自殺する奴は弱いとか言うのはもうやめませんか。

今回は、引用ばかりの記事です。 松ちゃんのワイドナショーでの発言について 昔からある「自殺したら負け」の考え方 松ちゃんのワイドナショーでの発言について リアルタイムで見てた時から気にはなってました。数時間後からネットがざわついてます。知らな…

顔を焼いてまで逃げた高野長英。『長英逃亡』吉村昭

逃げる長英、追う幕府 切放しとは 硝石精で顔を焼く 逃げる長英、追う幕府 吉村昭の『長英逃亡』を久しぶりに読みました。日本有数の蘭学者である高野長英の6年4か月にわたる緊迫した逃亡劇が、緻密に描かれています。 江戸末期、鳴滝塾のエースとして活躍…

『光る壁画』吉村昭 小田原に家があるのに渋谷に単身赴任して奥さんをキレさせる男の話

吉村昭の『光る壁画』を読みました。世界初の胃カメラを開発した日本人の物語です。この物語の主人公、曾根菊男さんの単身赴任生活の苦悩がとてもおもしろい。 昭和25年頃の話です。菊男さん(28)は胃カメラ開発の研究員として渋谷で働いています。妻の…

こんな拷問は嫌だ。江戸時代の拷問。『桜田門外ノ変』吉村昭

礫責め、石抱き。江戸の拷問は強烈だ。 吉村昭の『桜田門外ノ変』を読みました。大河もちょうど今、井伊直弼が暴れてますし。中学校の教科書にも載ってるくらいの有名な事件ですが、吉村昭にかかると、事件に至るまでのあれこれを何台もの隠しカメラで見させ…

『闇を裂く道』吉村昭 そこのきみ、トンネル掘ってみるか。

丹那トンネルを知ってますか? 東海道線を使ったことはありますか?在来線だと函南~熱海間、新幹線だと三島~熱海間にある長さ約8Kのトンネルです。そこそこ長いので、在来線だと気づきます。「あれ?このトンネル長くない?」という感じです。新幹線だと…

関東大震災で朝鮮人虐殺はあった 『関東大震災』吉村昭

「関東大震災で朝鮮人虐殺はなかった」と主張する人がいますが、違うようです。 日本で災害が起きるたび、よく海外メディアで「日本人の冷静な対応を称賛」というニュースを聞きます。しかし、「日本人は…」というのは大きな間違いです。僅か90年前の関東大…

『脱出』吉村昭

一片の骨を見て、人の痛みや辛さに思いをはせる作家 解説にこうあります。 吉村昭は人間の苦痛を知っている。そして、そのことは人間は苦痛のなかをはいまわって今、ここという場所に到達しうるのであることを教えている。 この吉村昭さんの『脱出』は、今の…

『殉国』吉村昭 沖縄戦のリアル

吉村昭と『殉国』 吉村さんがこの作品を書いたときは、まだ沖縄はアメリカに占領された状態にあり、使用通貨はドル、道路は右側走行だったといいます。吉村さんは昭和42年(1967年)沖縄に1ヶ月滞在し、90名近い人達に会うことを続けたそうです。 それらの人の…

『羆嵐』吉村昭 本に引き込まれ自分が消えてなくなる体験ができる本

『羆嵐』、吉村昭作品の最高峰の一つです。作品を読めば、作者の人柄がなんとなくわかります。作品作りに妥協がなく、登場人物に浮かれた部分がなく、それでいて窮屈ではない。吉村昭さんは、自分の生き方をきっちり守る職人タイプの作家です。 まだ、読んで…

『島抜け』吉村昭 江戸末期に種子島から脱出する話が、とんでもなくおもしろい

みなさん、想像して読んで下さい。 島抜け 大坂で捕まった 種子島着 死人が出た 島抜け 漂流 島が見えた どうやって日本に帰ろうか 日本に帰ってきた 欠けた椀 飢饉で飢え死にしそうになる話 嫁の里追い 代官所がすすめる藁餅 村から脱出 島抜け 大坂で捕ま…