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「思う」を連発しない。「思う」の言い換えの方法。 上手な文章の書き方

 文末を「思う」で締めるのはよくないと聞きます。「思う」は腰の引けた表現だ、「思う」は無責任な表現だ、と言われます。「思う」ではなく「です」や「ます」を使うようにハウツー本には書いてあります。今回は、この「思う」という表現について考えていきます。  

 「思う」ではなく、「です」や「ます」、さらには「だ」などというような断定の文末で締めろ、とよくありますが、自分の意見を断定で締められる人が果たしてどれだけいるのでしょうか。多くの人は、断定できるほど自分の考えに自信がもてないでしょう。大概の人は、もう少し遠慮がちに、迷いながらも謙虚に意見を書きたいのです。すべて言い切ってしまうと、文章が私の手からどんどん離れて独り歩きをはじめ、多くの人に晒されて叩かれるのではないか、そんな不安にかられてしまうのです。

 「思う」ばかりではしつこいですが、断定ではなくあいまいさを少しは残しておきたいのです。

 

 言語学者の黒田龍之助さんは、「大学生からの文章表現」で「思う」の人気をこう分析しています。

 「思う」はとても便利である。深く考えずに書き始めた文章が、とりあえず無難に終わる。なんとなくカッコがつくような気がする。さらに「思う」は相手の批判をかわす。どんな主張であろうとも、「これは私が『思って』いることなんだから、他人にとやかくいわれる筋合いはない」と開き直れる。何を「思おう」が個人の勝手なのだ。ということで、「思う」は大人気である。ひょっとしたら「思う」はか弱き者たちの「抵抗の砦」なのかもしれない。

 「思う」を多用する、か弱き者の心情に寄り添い理解を示しながらも、その上で、「それでも『思う』を使わない訓練をしてほしい」と言います。そして「思う」を使わない代案を示してくれます。

 次の2つの文章を読み比べてみてください。

ただ、話すだけなら文法はいらないと思う。小さい頃から目にしていけばけっこう覚えられるものだと思う。が、勉強となるとそうはいかなくなると思う。文法なしでは新しい言語をマスターするのは不可能であると思う。

 次です。

ただ、話すだけなら文法はいらないだろう。小さい頃から目にしていけばけっこう覚えられるはずだ。が、勉強となるとそうはいかないのではないか。文法なしでは新しい言語をマスターするのは不可能かもしれない。

 後者の方がすっきりしています。黒田さんはこう言います。

「思う」ばかりを使わないでも、別の語彙で言い換えることはできるはずだ。近い表現なんていくらでもある。「考える」や「感じる」といった動詞があるし、「だろう」「はず」「かもしれない」などが考えられる。「ではないか」などのように疑問を投げかける方法もある。もちろんこれらにしても、一つのものばかりを繰り返してしまえば、同じことである。バランスよく使って単調にならないようにする工夫がほしい。

頭の片隅に入れておいて、「思う」を使う際にひきだしておきたいですね。 

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