読書生活 

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長所や短所は自分にはわからない

 自分にはどんな長所があるのか、考えてもなかなかわからないものです。わかる人は、きっと何かをなした人です。イチローには野球の才能があったのか、今話題の藤井4段には将棋の才能があったのか、おそらくあったんだと思います。しかし、それは後付けであって、彼らだって最初から自分にその能力があったことをわかっていたわけではないでしょう。

 何かの分野で成功した人は、もともと「自分にはこの能力がある」と思って行動したのではなく、うまくいったあとで、きっと「あの人には能力があったんだろう」とあとで周囲から理由付けされているのだと思います。

 自分の長所や能力など考えてもむだです。自分の長所とは、自分で見つけるものではなく、まわりの人が見出してくれるものです。たぶん。案外自分のことは自分ではわからないものです。自分の顔は自分では見れない、とよく言うじゃありませんか。

 無人島に流れ着いて、そこで生活していたとします。その人にわかる自分の長所は「サバイバル能力」であり、それ以外はわかりません。「あいさつをよくする」とか「まめにメールを返す」などの他人に関係するものはもちろん、「早起きが得意」とか「よく考えるところ」なども、自分一人では気づかないでしょう。短所も同じことです。

 でも、他人の評価を気にし、無意識に世間に自分をあわせようと努力するのは違います。考え方は人それぞれです。賛成する人もいれば、反対する人もいます。他人の目を気にし、誰からも批判されないような無難な行動をえらぶのはおもしろくありません。

 周囲のちょっとしたほめ言葉をうのみにして、好きなことをする。そうして生きています。批判の声はよく聞こえますが、ほめ言葉はそう聞こえてきません。批判の声が聞こえてくると、即座にブロックする人の気持ちがよくわかります。