読書生活 

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「死ぬ気になったつもりで」ってよく言うけれど  『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』 

 新聞にあった本の紹介を読み、強く共感したのでここに引用します。まだ、読んでいません。2017年6月25日の朝日新聞11面の書評欄です。

『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』

 学習性無力感の体験と対応策

 一昨年、大手広告会社に勤務する20代の女性社員が自殺し、後に過労死として労災認定された事件があった。東大卒の若い女性の悲劇に人々は驚き、「なぜそうなる前に辞めなかったんだろう」と思った人も少なくなかったはずだ。

 本書では、これを学習性無力感という心理学用語で説明している。人や動物がストレスを受け続けると、その状況から逃げ出そうとする努力すら行わなくなってしまうという現象のことだ。

 たとえばサーカスのゾウは足首のひもで地面の杭につながれているが、逃げ出そうと思えば力ずくで逃げ出せるはず。しかし小さいころから杭につながれているゾウは「抵抗してもムダ」という無力感が注入され、逃げる発想そのものがなくなってしまう。

 このような背景の論理が説明されたうえで、筆者の生々しい体験談が圧倒的な当事者性とともに描かれている。本書がベストセラーとして秀逸なのは、このような筆者の立ち位置だけでなく、非常に実用的なことがある。たとえば、どのような段階に立ち入ったら心療内科に行けばいいのかという質問に対して、「答えは簡単です。『困ったとき』です」と明快に答えるのだ。

     佐々木俊尚(ジャーナリスト)

 強く共感します。「死ぬ気になったつもりで」ってよく言いますが、これは、前向きにがんばろうとする人に使うことばで、悲しい気分の人に言うことばじゃゃないなあと思います。

 この書評では、つながれたゾウの話が例に出ています。どこかでこんな話を読んだ覚えがあります。その話では、犬が出てきました。

 鎖につながれた状態で、どんなに鳴こうが暴れようがおかまいなしに電気ショックを与え続けられた犬は、鎖を外しても電気ショックをのがれようとしないどころか、引っ張って犬を動かそうとしても動こうとせずひたすら電気ショックを受け続ける、というものです。

 たしか、自分がどんなにあがいても何の変化も起きない環境におかれると、無力感を学んでしまう、というような。

 「この人様子がおかしいぞ」と思ったら、家族や同僚や上司がその異変に気付いて対処してあげたほうがよさそうです。 

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