読書生活 

本もときどき読みます

青春小説、青春マンガの書き方をまとめてみました。 

青春の表し方 表現の仕方 

 

 青春小説をざっと読んで、ある共通点が見えてきました。この共通点をおさえたら、青春小説(青春マンガ)が書けるようになるのでは?その共通点を踏まえ、青春小説(青春マンガ)の書き方をまじめに書いてみます。

1.友情か恋愛のどちらかを選べ!

 「二兎を追う者は一兎も得ず」というでしょう。まず「友情」か「恋愛」か、どちらかを選びます。でも、どちらか一つだけじゃだめです。もう一つも少しはいれないと。ようするに、「恋愛要素が少し入った友情物語」か「友情要素が少し入った恋愛物語」、そのどちらかにしましょうということです。

 途中で方向転換するとたいてい失敗します。よーく考えてから書き始めましょう。しかし、方向転換が奇跡的にうまくいく場合もあります。あの神マンガ『スラムダンク』は最初コミカル不良恋愛マンガでしたが、ミッチー投入以降、完全に友情マンガにシフトして成功しました。今や売れている小説は、圧倒的に友情が主題になっています(と言いながらデータも自信もない)。

2.舞台は学校にするべし!そしてちょっとした変化を!

 天才プログラマーが作った仮想空間を舞台にしたり、異空間で突然才能を開花させる少年がいたり、といったものは邪道です。退屈な学校生活なんてつまらないよ、と思う気持ちはわかります。そこで、少し変化をつけてください。退屈な日常にちょっとした非日常を加えるのです。あくまでも舞台は日常であって、それは学校です。

 ちょっとした非日常と言えば…。古典的に言えば、転校生がやってくる、とか、病気になっちゃうとか、男女が入れ替わる、とか。「その程度しか思いつかないのか」とか「そのシチュエーション、最近はやったやつじゃないの?」思ってるそこのあなた。これが思いつかないんですよ。それさえ思いつけば、わたしだって書けます。

3.熱い勝負をさせろ!

 バスケ(『スラムダンク』)、サッカー(『キャプテン翼』)、野球(『バッテリー』)、陸上(『一瞬の風になれ』)、合唱(『くちびるに歌を』)‥なんでもありです。あなたがもっとも詳しく語れるジャンルで熱い勝負をさせましょう。世の中にはエグイ人がたくさんいて、あなたのあげ足をとろうとじっと見ています。その手のマニアにも負けないくらいの知識が必要です。ルールが突然変わることもあるので、試合中に変更があったら※印で説明が必要です。病気と戦うのもありです。

 あなたの体験がものをいいます。青春ものを書こうとするくらいですから、学生時代に友情や恋愛で熱い体験の一つや二つおもちでしょう。それを書けばいいのです。作者の熱は登場人物にやどり、登場人物の熱は読者に伝わるものです。「登場人物が熱いのに読者はそれほどでもない」というパターンはよくありますが、「登場人物が熱くないのに読者が盛り上がっている」ということはありません。

4.セックスと殺人と薬物は地獄の入り口

 退屈なストーリー展開に嫌気のさした作者が、突然登場人物にクレージーなことをさせることがあります。相当なインパクトがあります。ただ、読者視点に立ってください。青春小説を手に取る人が欲しているのは、さわやかさや胸キュンです。  

 まず、恋愛を選んだあなた、一線をこえさせてはいけません。両想いになるまでの過程、その過程においていかに読者の心をキュンキュンさせるかが問題であって、両想いになってからの関係はどうでもよいのです。どうでもよいどころか必要なし。逆に見たくありません。瀧と三葉を見てください。ほら、あのくらいがいい感じです。 

 次に、友情を選んだあなた、負けそうになったからとライバルを殺してはいけません。強いライバルであればあるほど、主役も成長し勝負も熱くなるってものです。登場人物を殺したら、警察ものかミステリーにするしかありません。負けたっていい。薬物もダメ、ゼッタイ。

 ただ、事故死や病死はぎりぎりOKです。青春小説や青春マンガの中にもおなくなりになっている方、かなりいます。有名どころでは『タッチ』の和也ですね。不良少年マンガの頂点『クローズ』ですら殺人はありません(回想シーンにあったくらいです)。『カイジ』はどん引きするくらい殺しますが、あれは青春マンガではありません。

 また、殺す前に、本当に殺してもいいのかをもう一度考えましょう。「覆水盆に返らず」です。一度殺したら、青春小説では二度と生き返りません。青春小説にはドラゴンボールも王大人(『男塾』)もいないのです。

 ただただ、病死がクライマックスイベントだったという話もありますから…。恋愛選んで相手が死んじゃったら、胃か肝臓を食べさせてください。

5.登場人物をわかりやすい対比構造にする

 「まじめな努力型」と「天才型のお調子者」。これが王道です。最初は天才型が圧倒的に強いのですが、話が進むにつれて努力型が天才型をとらえる瞬間がくる、こんな感じです。『一瞬の風になれ』や『ボックス』がその典型です。マンガだと『はじめの一歩』かな。

 恋愛系の話には、恋のライバルを登場させましょう。その際、主人公とは真逆な性格にすることをおすすめします。

6.親の存在感を消せ!

  これは、あまりあてはまらないかもしれませんが‥。主人公の両親は必要ありません。いても存在感がない、登場してもセリフなしくらいがちょうどいいです。離婚していて今は母親と一緒に住んでいる、とか、父親が仕事でめったに帰ってこないとか、それくらいの方がよい気がします。いっそのこと、おじいちゃんやおばあちゃんに育てられている、というくらいにしますか。

 小学校のとき、国語の教科書に「ごんぎつね」とか「ちいちゃんのかげおくり」とか「海の命」などのお話しありましたよね。どの作品も両親がそろっていないのです。日本人には、その感覚がすりこまれています。しまった、まじめなくせがまだ抜け出ていない。 

yama-mikasa.hatenablog.com 

 恋愛表現を集めました。よろしければ使ってください。 

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 文章の書き方本を紹介したこともあります。 

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