読書生活 

本もときどき読みます

「居間のローテーブルの下の鉄柵部分にカバーの外された『蜜蜂と遠雷』がさりげなく置いてある謎が解けた」という話

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 わたしの家の居間のローテーブルの下の鉄柵の部分に、カバーを外された『蜜蜂と遠雷』が置いてあります。その理由がずっとわからなかったのですが、先日わかったという話です。『蜜蜂と遠雷』は家人のものです。カバーが外されています。あの本、カバーを外すと真っ黒で『蜜蜂と遠雷』には見えないんです。なんの本だかさっぱりわからない。ただの真っ黒でぶ厚い本が、普通の状態では見えないローテーブルの下の鉄柵の部分にポンと置いてあります。

『誰だって波瀾万丈』 

 『誰だって波瀾万丈』という番組を日曜日に見ました。中村江里子さんという方が出ていました。何でも、実家は銀座の一等地に9階建てのビルを持つ富豪で、ご自身は現在パリで築百年以上という家を購入し、おしゃれな生活をしています。その素敵なパリ生活を公開します、という企画のようでした。

 わたしは何の興味もない(どころか少しいや)のですが、こういうの家人が好きで、その時もがっちり見ているわけです。わたしは新聞を読むことにしました。番組は「ながら見」というやつです。

中村さんの家の中 

 中村さんのパリの家のキッチンには、大きめなタイルがはってありました。居間にはお洒落なガラスのローテーブルがありました。そのテーブルの上や周りには、無造作にフランス語で書かれた本や雑誌が置かれていました。

 MCが、「本はわざと片づけずに置いているのですか?」と中村さんに聞くと、「フランスでは、お気に入りの本がすぐ手に取れるようにテーブルに置く家庭が多いんですよ」とのことでした。ところが、その本読まれてなさそうなんですよ。なんとなくですがわかるじゃないですか、そういうの。きっとあの無造作に置かれた本、読まれていません。計算されて置かれているように見えました。

(うすうす感づいてましたが)おしゃれだったのね

 わが家には、家人お気に入りの「トラック」という大阪の家具屋さんの家具(この家具屋さんはわたしも好き)が多くあります。

truck-furniture.co.jp

 一年ほど前、そこでローテーブルを購入しました。木製のテーブルです。もちろん透けていません。これです。

truck-furniture.co.jp

    写真だけ貼り付けようとしましたが、できませんでした。クリックしていただけたらそのローテーブルの画像が出ますが、見て下さらなくても一向にかまいません。そのローテーブルの下の鉄柵の部分に置かれている本、それが『蜜蜂と遠雷』です。

 「あ、中村さんと家人、よく似てる」と思いました。わたしは知っています。『蜜蜂と遠雷』が1ページも読まれていないことを。うちの『蜜蜂と遠雷』はカバーが外された黒い姿で、いつもぽつんと置かれています。その本を見ると「服を脱がされた女の子が放置されている」というような哀しい気持ちになります。黒いのでほこりが目立ちます。そのほこりはふいて上げているようです。ただ、あいかわらず読まれてはいません。おそらくカバーを外した原因は、洋書感がでるからでしょう。カバーをしたままの『蜜蜂と遠雷』とカバーを外した真黒な『蜜蜂と遠雷』をとっかえひっかえして比べたのでしょう。そうして、カバーを外したバージョンが採用された‥。

装丁がおしゃれじゃない本はほぼほぼゴミ扱い 

 家人はわたしの文庫本を、「整理してくれ」と言いながら足で払います。わたし、スペースを取るハードカバーはここ10年買ってません。半年に一度くらい、家中に散らばった本に集合をかけ(といっても、自分で戻ってくるはずはないのでわたしが捕まえてつれてくるのですが)、本棚の前でいのちの選別を行います。申し訳ないと思いながら「さよなら宣告」を受けた本はブックオフ行きです。

 おそらく、おしゃれさんの家のテーブルやテレビ台には、装丁のおしゃれな本が置かれていることでしょう。そこで置かれている本が、読まれていることを祈ります。ただ飾られているだけの本は、我が家の『蜜蜂と遠雷』一冊だけで十分です。