読書生活 

本や新聞を読んでいます

文章が少しずつよくなっていくところを再現してみました

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文章の直し方 

 『実践・日本語の作文技術』という本を読んでいます。著者は元朝日新聞記者の本多勝一さんです。この『実践・日本語の作文技術』は、その名の通り前回の本の実践版です。この本で、なるほど~と思った部分を今回もまとめて記事にします。

 文章の直し方についてです。説得力があり他の文章にも応用が利きます。では始めます。

 この文章を見てください。

芝生をいためる球技等の行為は厳禁する

意味はわかりますが、何となく変ですよね。芝生を傷めない球技ならいいのか、って思いませんでしたか?でも「これを変えましょう」と言われたら困ります。どう書いたらいいのでしょう。

 では、いきましょう。

先の文章をもう一度よくみてみます。

①芝生をいためる球技等の行為は厳禁する。

これから変えていきますので、もとのこの文章を①としておきます。

係る言葉を意識してみる

  この文章の「芝生をいためる球技等の行為」の部分が誤解を招きます。この文章の「行為」という単語に係る言葉とは、「芝生をいためる」と「球技等の」の2つです。その前に「係る言葉」の説明をします。

係る言葉とは 

 係る言葉とは、説明する言葉のことです。例えば、

白い紙

という文章では、「紙」に係る言葉は「白い」となります。

 話を元に戻しますね。先の①の文章の「行為」に係る言葉は、「芝生をいためる」と「球技等」の2つです。そして、この2つは平等に「行為」にかかります。にもかかわらず、なぜ誤解を生ずるのか。それは「芝生をいためる」が「行為」にかかるはずなのに、このままだと「球技等」に直接かかってしまうからです。

「芝生をいためる」→「行為」

なのに、

「芝生をいためる」→「球技等」

と誤解されるということです。具体的に言うと「芝生をいためる行為」はだめだと言いたいのに、「芝生をいためる球技等」がだめだと読まれてしまう可能性があります。だから、「芝生をいためない球技ならいいのか」と、わたしのようなあげ足取りの読者に思われてしまうのです。 

 このような誤解を受けないように、「芝生をいためる」と「球技等」の語順を入れ替えます。

球技等の芝生をいためる行為を厳禁する。 

これで、「芝生をいためる球技」と読まれることはなくなります。

偉そうな言葉はやめる

 まだ、少し引っかかります。ここです。「厳禁する」です。何もそんなに強い言葉で言わなくてもいいのでは…。強く言うと逆に反発を呼びます。そこで、ここをもう少しソフトにこう変えましょう。

③球技等の芝生をいためる行為を禁ずる

これでも十分偉そうですが、「厳禁する」よりははるかにいいです。

④球技等の芝生をいためる行為はご遠慮下さい

こちらの方がよりソフトかな。ここでは④を採用しましょう。

漢字が続くと読みづらいのでひらがなを入れる

 わたしの個人的な感想では④でいいと思いますが、本多さんは「漢字ばかり続くことによる読みにくさ」をずいぶん気にします

「随分気にします」か「ずいぶん気にします」か

 今もそうですね。ここ、「ずいぶん気にします」の「ズイブン」です。

ずいぶん気にします。

随分気にします。

この違い、気になりますか?本多さんは気になるようです。ひらがなで書いても気にならない言葉であれば、漢字が続くようならその言葉をひらがなにしろ、とのことです。

 なので、本多さんなら「ズイブン気にします」は「随分気にします」ではなく、「ずいぶん気にします」と書くでしょう。

 本多さんのように、漢字が続く読みづらさを気にする方は、先ほどの文章をこう変えましょう。もう一度もとの文章書きますね。

④球技等の芝生をいためる行為はご遠慮下さい。

⑤球技などの芝生をいためる行為はご遠慮ください。

と変えます。⑤の「球技などの」の「の」を取ってもいいかもしれません。すると、

⑥球技など芝生をいためる行為はご遠慮ください。

となります。

 これでおしまいです。どうでしょう。最初の文章と並べてみます。

①芝生をいためる球技等の行為は厳禁する。

⑥球技など芝生をいためる行為はご遠慮ください。

ほら、わかりやすくなりました。

 

 これまで本多さんの『日本語の作文技術』という本を読んでいました。とても勉強になり、このブログにも小分けにして書きとめておきました。興味のある方は、お暇なときにご覧ください。  

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