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ラッコはマイストーンを持っている。『ざんねんないきもの事典』

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ラッコはマイストーンとマイストーン入れ袋を持っている。 

 ラッコは貝をとったら石で貝を割って食べてます。ラッコはその石にこだわりを持っていて、どの石でもいいわけじゃない。お気に入りの石、マイストーンで割ります。でも、泳ぐときにその石は邪魔ですよね。実際、昔のラッコは泳いでいるとき、よく石を落としたらしいです。

 でも、今のラッコはそんなことはありません。なぜかというと、今のラッコのわき腹には小さい袋があって、そこに石を入れるからです。今のラッコはマイストーン入れ袋も持っているわけです。もちろん、昔のラッコにはそんな袋はありませんでした。進化の過程でラッコにマイストーン入れ袋ができたわけです。

おもしろい!進化のふしぎ『ざんねんないきもの事典』。

 この本の裏表紙にこうあります。「ざんねんないきものとは、一生けんめいなのに、どこかざんねんないきものたちのことである」と。

キリンの首や足がなぜ長いのか 

 この『ざんねんないきもの事典』では、キリンやゾウを例に出しながら、進化についてわかりやすく説明しています。

 みなさんはキリンの首や足がなぜ長いか知っていますか?昔『キリンの首』という本が売れて、そのときに読みました。わたしは「高い枝の葉っぱを食べられるために少しずつ足や首が長くなった」と思っていましたが、実は違います。理由はこうです。この『ざんねんないきもの事典』から引用します。

⓵足が長くなった 

キリンの祖先のなかに、たまたま足が長い子どもが生まれた。その足は肉食動物からにげるのに役立った。

②でも、水が飲みにくい 

だんだん足が長いものがふえていったが、水を飲みにくいせいで、まだおそわれやすかった!

⓷首が長くなった 

さらにぐうぜん、首も長い子どもがうまれた。水が飲みやすかったため、足と首が長いものが生き残った。

 びっくりするくらいわかりやすい説明です。この本の説明は幼稚園生でもわかります。

 進化というのは「偶然」の積み重ねのようです。「たまたま」そのような資質をもって生まれ、その「偶然」が複数出会い子孫を残す。進化は突然やってくる、ということです。

 さきのラッコに戻ります。ラッコがマイストーンを持つ、というところから進化の可能性を考えてみます。たとえば、このマイストーンを持つラッコの進化にはこんな道が考えられます。

①石にこだわりをもたないラッコがうまれる。

②左手が石のように固いラッコがうまれる。

③石を入れる袋を持ったラッコがうまれる。

 この中で、一番想像しやすいのは⓵だと思います。②もなかなか想像できませんが、⓷に比べたらまだありえます。ところが、ラッコはマイストーンにこだわりをもつのをやめず、左手を固くもせず、石を入れる袋をもつようになった。進化は偶然、突然やってきますから、ある日いきなり石を入れる袋をもったラッコが生まれたことになります。左の脇に皮を少しだぶつかせたラッコではなく、いきなり、石を入れるのにちょうどいいくらいの袋をもったラッコが生まれた‥。

 最初に袋をもって生まれたそのラッコは、まわりのラッコからどう思われたのでしょう。おかしくない?おまえのそれ何?とさんざんいじめられたと思いますが、考えすぎでしょうか。

 これが、人間にもおこっているのなら、ある日偶然何らかの才能や身体的特徴をもった子どもが生まれることになるわけです。才能でいうと、勉強ができるとかそういったレベルではなく、あきらかに人類の上をいく人工知能を凌駕するような知能の持ち主とか、身体的特徴だと、首の長さが30cmあったり目が3つあったりといったようなことです。もしこんな子がうまれたらどうなるのか…。というか、70億人もいるのだから、もうとっくに生まれているのでは?その子は進化の過程にいるのかもしれません。新婚さん、もし、生まれてくる子がわたしたちの想像と違うお子さんだったとしても、それは、進化の過程にある貴重な種なのかもしれません。