読書生活 

本もときどき読みます

戦国武将は下半身が好き

 以前、こんな記事を書きました。

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 「昔は肌を露にする女性が多くおっぱいが日常にありふれていたので、男性はおっぱいにあまり興味はなかったんだって」という記事です。

 そう言えば司馬作品の濡れ場の描写はどうだったかなあ、と何冊かパラパラめくってみました。司馬遼太郎はけっこう濡れ場を具体的に書いていた記憶はありますが…。

 ありました。『新史 太閤記』です。わたし、好きなんですよ、これ。秀吉は女好きですから、秀吉が女性にちょっかいを出すシーンがよく登場します。例えばこれ。

寧々はついその気になって身を委ねた。これは油断であった。「こうっ」とあわてて裾をひき締めたときは、ずるい猿の手がそのあたりに入りこんでいる。『新史 太閤記 上 p179 』

寧々は秀吉の奥さんです。秀吉が寧々の裾に手を入れます。胸に手を入れません。あくまで裾です。

 「あっ」、と、もよは裾をおさえ叫んだときには、もう遅かった。この男は、いつどう手を回したのかもよの裾の奥へ手を入れ、もよが驚いたときにはもう指を離していた。その指を唇のあたりにもってゆき、おどけて嗅ぎ、急に大真面目に舐め、やがてうれしそうに笑った。『新史 太閤記 上 p367』

また裾です。もよは、秀吉のお気に入りの女の子です。寧々という奥さんがいながらです。

おらが嬶(かか)殿の御膳には 笹草もなし 駒が水飼う 

御器と思えや 御器と思えや『新史 太閤記 上 p297』

これは、秀吉が寧々の下半身を歌ったものです。「寧々のそれはつるりとして御近器のようである」という、どういうこともない下品な歌です。

 司馬作品には、男女の営みの描写が多くあります。ほかにも探してみるつもりです。ただ、わたしの記憶によると、裾に手を入れる男の描写はあっても、胸をもみしだく男の描写はなかったと思います。もしありましたら教えてください。

 秀吉は寧々と結婚する前に、一度結婚しています。その人には逃げられました。その奥さんがどうしても不細工な秀吉を好きになれず、そんな様子をみていた秀吉も辛くなり、離婚ということになりました。秀吉が天下人になると分かっていたら、こんなことにはならなかったでしょう。