読書生活 

本もときどき読みます

『翔ぶが如く』を読む前に 

司馬遼太郎の大作『翔ぶが如く』

 今年の大河の主役は西郷隆盛です。本屋には、西郷隆盛の関連本が平積みされています。その中でもけっこうなスペースをとっているのが、司馬遼太郎の『翔ぶが如く』です。わたしが初めて手にした司馬遼太郎本です。

 

 中3のときに『翔ぶが如く』の第1巻を買いました。誰にだって背伸びをしたくなる時期があります。それです。背伸びをして買ったはいいものの、すぐに投げ出しました。1巻の半分くらいでやめたんじゃないかな?読んでないのにかっこつけて友人の前でちょいちょい買い足して、高校卒業の頃には全10巻揃いました。1巻も読んでないのに、全巻揃えるって逆に凄いと思いませんか?

 読んでませんが友人からは感想を聞かれます。『翔ぶが如く』を買っている姿や教室で読んでいる(正確には「読むふりをしている」)姿を友人に見せていたので。わたしの中では当時「知らない」「読んでない」は使ってはいけないセリフでした。「途中まで読んだけど内容忘れちゃったな」と言えばよかったのに。知識のかけらを拡大して喋ってました。知ったかぶりはかっこ悪いぞ。

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 また話がずれました。その後何度かトライして読了しました。

 

 昨年の夏、来年の大河が西郷隆盛らしいということを知ったわたしは、アクセス数アップを考えてまた『翔ぶが如く』を読みました。今なら、おもしろく読めるかな、と期待して開いたのですが、あまりおもしろくない(涙)。

 

 まず、登場人物が多いんです。とにかくたくさんの人が出てきます。そして、一人一人について、これでもか!というくらいの長いエピソードがついてきます。有名どころはもちろん、無名の一兵卒まで詳細に書かれています。ある程度の歴史知識がないと、きついです。司馬作品の最初の一冊がこれだと少し辛いと思います。

 

 まだあります。話が長いんです。西郷がなかなか出てきません。大久保が征台論(征韓論の台湾版です)にかかるくだりが途中にありますが、1巻分くらいまるまる西郷出ないところがあります。司馬さんにしてみれば「こういう背景も大事なのだ」ということなのかもしれません。

 司馬作品の特徴の一つに「余談話」というものがあります。「余談だが」と前置きして、そこに関係する話を挿入してきます。その「余談話」がほかの司馬作品に比べてやたらと多い。

 全く同じ余談話が出てきたときは驚きました。例えば、同じ長州藩の木戸孝允と伊藤博文の仲があまりよくない話や、慶喜が大坂城を脱出する際に「幕軍に大久保や西郷のようなものがいるか?」と一喝したという話は3回以上は出てきます。もうその話はいいよ!とつっこみますよ、きっと。 

 

 最後です。この『翔ぶが如く』に出てくる西郷隆盛うんちくを紹介します。

 西郷は風土病にかかり、男性の大事な部分(ボールのやつ)がかぼちゃくらいの大きさに腫れ上がりました。その腫れは生涯おさまらず、すれると痛かったので馬には乗れません。うさぎの皮で作った特製袋を用意して、いつもその袋に入れてました。

 西南戦争の最後に切腹します。その遺体探しの際に、そのかぼちゃほどのものが西郷の目印になったという説もあります。当時は写真が普及しておらず、遺体の鑑定が難しかったとのことです。

 

 今回の題は、『翔ぶが如く』を読む前に、ですね。うーん、長いし辛いけど、がんばってくださいね。そういえば、林真理子の原作は読んでません。今度読みます。

 

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