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『祈りの幕が下りる時』東野圭吾 

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新参者シリーズ最終章 一気読み間違いなし 

 東野圭吾がまた本を書いた。『祈りの幕が下りる時』新参者シリーズの最終章とのこと。

 「シリーズものは、最初が一番面白い」という定説があるが、東野圭吾にこの定説はあてはまらない。ガリレオもそうだが、東野圭吾の作品は、回を増すごとに魅力的なものとなっている。

 この新参者シリーズは、日本橋署の刑事である加賀恭一郎が謎に包まれた殺人事件の真犯人を探すというミステリー要素と、事件の裏側に隠された人の心の謎を解くというヒューマンドラマ要素が有機的に絡み合い、これまでにない「泣けるミステリー」として話題になってきた。

 今作は、加賀恭一郎の出生がカギを握るとのことで期待は膨らむ一方だった。ただ、読む前にハードルを上げ過ぎたために、内容によっては怒りを覚える経験も少なからずしている。膨らむ期待を抑えながら本書を手に取った。

 しかし、冒頭のわけありげな仙台でのシーンからすぐにのめり込み、いつの間にやら読み終えた。

 わたしのような期待に胸を膨らませて読むファンを、毎回満足させる東野圭吾の堅牢緻密なストーリー構成には驚かされる。推理の要素と共に、謎が明かされた結果の真相が、わたしにとっては魅力的すぎた。

 読み終えて改めて本書のタイトル『祈りの幕が下りる時』を眺める。誰の祈りなのか、誰に対する祈りなのか、その祈りが下りる時とはどういう意味なのか、がよくわかる。

 人から与えられることばかりを求めるな。他者に愛を与えよう。大切な人のためにできることをしよう。そう感じさせる、ミステリーの範疇を越えた心洗われる良書だ。 

 

こんなのもあります。 

www.yama-mikasa.com

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