読書生活 

本もときどき読みます

「普通」という選択肢はもうすぐ絶滅する。

ジーパンを買いにユニクロへ

 長年履いていたジーパンが破けたので、買い替えるべくユニクロに行きました。

 店員にサイズを言って「普通のジーパン」と告げたところ、店員さんが困った顔をします。「普通の」と繰り返すと別の店員さんが来て、「スキニーフィット、スリムフィット、レギュラーフィットの3タイプがある」と教えてくれる。前のジーパンもユニクロで買ったんだけど忘れちゃったんだよな。破けたジーパン持ってきたらよかった。

 「細めか、ゆったりタイプのどちらがお好みですか?」と聞かれました。さらに「ふくらはぎや太ももなど、気になる部分はありますか?」と聞いてくれる。

 この時点で辟易して帰ろうかと思いました。「細めか太めじゃなくて、普通はないのか」と聞き返そうかと思いましたが、もうやめました。ビー玉のような目でぼーっとしているわたしを見かねた店員さんが、「試着してみましょうか」とわたしを試着室に連れて行きます。

 スキニー、スリム、レギュラーの順に太くなっているらしい。となると、スリムが真ん中で、いわゆる「普通」にあたるようです。違和感が特になかったので、それを選ぶと、「ストレッチセルビッジスリムフィットジーンズ」か「ミラクルエアスリムフィットジーンズ」か「EZYジーンズ」のどれがいいか、聞かれました。

 せるびっじ?みらくるえあ?EZY?店員さんは説明しようともせず、実物を持ってきました。わかってるじゃないか(笑)

 無事、購入して帰宅。もう世の中に「普通」タイプのジーンズは存在しないみたいです。ジーンズどころか車もレストランのメニューも保険も学習塾も。

 選択肢が増えすぎてる気がする。ちょっと前、消費者のニーズに合わせるとかなんとかいう流れと「普通」を嫌って個性を追い求めた風潮が重なってうねりを起こし、それこそ「何万通りの選択肢」がありますぜ、みたいなキャッチコピーを打ち出す会社があった気がします。

 選択肢が多いと人は選択するのをやめるらしい。どこかで読んだけど、実感できました。

 わたしは普通でいいよ。もう委ねます。選択に疲れました。よしなにはからってください。

 

 行きつけの床屋だけは、「普通」でやってくれる。厳密に言うと「普通に」じゃなくて「いつもと同じで」なのですが。あのおじさん、いなくなったら困るなあ。