読書生活 

本もときどき読みます

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

命をかけるとは 「若きサムライのために」三島由紀夫

口だけでない「命をかける」 男の生活と肉体は、危機に向かって絶えず振り絞られた弓のように、緊張していなければならない。平和ボケと現状肯定に寝そべる世相を蔑(なみ)し、ニセ文化人の「お茶漬けナショナリズム」を罵り、死を賭す覚悟なき学生運動に揺…

自分のことを「人見知り」って言うのはよそう。

「人見知り」って言うのはよそう 人間関係を構築することが苦手です。一人が得意で、就寝前の読書タイムが至福のひとときです。わたしは、「人見知り」でした。でも、今は違います。わたしは「内気」です。 人見知りには、二通りあると思っています。 一つ目…

恋愛とは 「堕落論」坂口安吾 

「ああ、安吾ね」って言ってみよう 坂口安吾。1906年、新潟生まれ。1955年、48歳で逝去。この作品の初版は昭和32年です。私たちより、2~3(4?)世代前の方です。私感ですが、この年代の方々(太平洋戦争を成人して経験なさっている)の作品は、難解なも…

この世の地獄 「闇の子供たち」梁石日

この世の地獄がここにある 貧困に喘ぐタイの山岳地帯で育ったセンラーは、もはや生きているだけの屍と化していた。実父にわずか八歳で売春宿へ売り渡され、世界中の富裕層の性的玩具となり、涙すら枯れ果てていた タイやその周辺国における、幼児売春や臓器…

完全数 「博士の愛した数式」小川洋子

完全数、なんて素敵な響き 「ぼくの記憶は80分しかもたない」博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた。記憶力を失った博士にとって、私は常に「新しい」家政婦。博士は「初対面」の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉…

民主主義 「社会を変えるには」小熊英二

声をあげることの大切さ 大震災後、首相官邸前で、国会議事堂前で、原子力発電所の前で、何十万人もの人たちが集まって、デモが行われました。アメリカでは、新大統領を批判するデモが行われているようです。たいていの人は、 「こんなことをしてもなにも変…

TRUCKのテーブルはおすすめです。

20年近く経ちますが、全く後悔なし。 昔から既製品の机の大きさに不満を持っていました。小さすぎるんです。すぐに机の上がいっぱいになってしまいます。 机は大きい方がいいと思うものの、巨大な机というものはめったにありません。特に、安定した机とい…

これはぜひ!すすめたい一冊!って

本との出会いについて このブログで、本のことを書いています。 このブログでは、 「この本好きです、おすすめです」 と書きますが、実生活では人に本をすすめることはありません。 「どんな本を読んでいますか?」 「おもしろいですか?」 程度の話はします…

在日 「血と骨(下)」梁石日

在日を考える まさに血と骨。 周囲のすべてを破壊し、さらにそれを集めごりごりとすりつぶし飲み下し、 自らの血と骨にする金俊平。圧巻。 天才も好きだけど、こういうとんでもないのもいいですね。 とんでもない。この人。 そのあまりの狂気に引き込まれま…

圧倒的迫力  「血と骨(上)」梁石日(ヤンソギン)

はちゃめちゃな男 映画化されています。主役の金俊平役は北野武が演じています。 映画化の際に、金役を北野武が希望したとのことです。 この作品(映画も)に流れる緊張感、暴力性は、 「アウトレイジ」などの北野映画に通じるものがあります。 主人公は、大…