読書生活 

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「12-5」を頭の中でどうやって計算していますか?

 いきなりですが、みなさんは、12-5をどうやって計算していますか?ほとんどの人は一瞬で「7」と出ると思います。暗記していますよね。無理矢理考えたらどうなるか、お聞きします。ではいきますよ。

①12からまず2を引き、12-2は10。10から残りの3を引いて7。

②12を10と2に分けて、10-5は5。5に2を足して7。

ほぼこの二つのやり方で計算しているようです。みなさんはどちらですか?①ですか?②ですか?

 実は、日本人の9割の方は②のやり方で計算しているのだそうです。それは小学校1年生の算数教育によるものなのだそうです。今回はそういう話です。

 小1の甥が計算ドリルをやっていました。繰り下がりのある引き算です。得意なようで、答えもあっています。

「おじさん、問題出してよ」

と言うので、12-5と紙に書いたら「7」と即答されました。暗記しているのかな、と思い、説明を促すと、

「(一の位の)2から5は引けないでしょ。だから、5-2をして3。10残ってるから、10から3を引いて7」

嘘!2から5は引けないから、5から2を引く?ドリルを再確認すると、全部あってます。もう一問出してみました。14-9は?

「4から9は引けないから、9から4を引いて5。10から5を引いて5」

嘘!あってます。どうやら、12-5を「5-2=3 10-3=7」とやっているらしいのです。

 2から5は引けない。だから5から2を引く?いろいろな式で考えてみましたが、これで正しい答えが出せます。二桁-一桁の繰り下がりのある引き算(11-2から18-9まで)は全部この方法でできそうです。このやり方を「逆引き算」とこれから呼ぶことにしましょう。

 二桁-二桁もこの逆引き算でできるのかやってみました。

21-13

1から3は引けないから、3から1を引いて2。10-2=8。できました。

34-16

4から6は引けないから、6から4を引いて2。30-10=20。20-2=18。何とかできました。

うーん。逆引き算。これ、ありなんですか? 

 数学科を出ている同僚に聞いてみました。彼曰く、「答えは出るけどね」と言いながら、すらすらと数式を書き始めました。

「繰り下がりのある引き算は、(10+a)-b=c (ただしa<b)と表せる。

これを変形するとだな。

(10+a)-b=c

 10+a-b=c

 10-b+a=c

そして、

 10-(b-a)=c

こうなるわけだ。その逆引き算で答えは出るけど、ちょっと辛いよね」

とのこと。どういうこと?と尋ねると、

「だって、その子、引き算の意味が分かってないわけでしょ。遅かれ早かれつまずくよ。そもそもそうやって先生教えてないと思うんだよね。それだと10進法の~」

と話が難しくなって、そこからは聞くのをやめました。

 繰り下がりのある引き算の教え方について調べてみました。教科書では、最初に11-9とか、12-9とか、難しい問題を小学生に与えるんですよ。11-2の方が簡単そうなのに。これ、理由があるんだそうです。12-9を例にして考えてみます。この問題の解き方の代表例として二つがあるらしいです。

A減加法

12-9をするとき、まず、12を10と2に分け、その10から9を引き、そして残りの2をそこに足す。10-9=1 1+2=3 これを、引いて足すから減加法というらしい。

もう一つがこれ。

B減減法

12-9をするとき、まず、12から2(9を引きたいのだが引けないから、まず12の中の2を引く)を引き、その答えの10から残りの7を引いて、3。12-2=10 10-7=3 これを引いて引くから減減法というらしい。

 どちらでも答えは出ますが、Bの減減法だと、これから数が大きくなってきたとき追いつかなくなるから、Aの減加法を身に付けさせたい(のだそうです)。しかし、繰り下がりのある引き算の最初の計算を、11-2としてしまうと、11からまず1を引いて10、その答えの10から1を引いて9。式にすると、11-1=10 10-1=9。こう考えてしまいがちなので、12-9にするらしい。12-9の場合、12を10と2に分けた後、2ではなく10に焦点を向けさせやすいとのこと。

 二桁-一桁の計算は、最終的には暗記してしまう(らしい)。大抵の大人は瞬間的に答えが出ます。そして、大抵の大人は減加法で計算している(らしい)。ということで、冒頭の12-5を9割方の大人は、10-5=5 5+2=7とやっているらしいです。私は、減減法でした。  

 え!。先の同僚に聞くと、「だから君は数学が苦手なんだよ」とのこと。なんとまあ。ちなみに、うちの甥っ子の解き方は、担任の先生の説明が頭に入ってこないうちに、自分で正答にたどり着く方法を見つけてしまったようです(同僚曰く)。うちの甥っ子はこのままいくと、2年生になって筆算の勉強でつまづくらしいです。34-16の筆算を、一の位に6-4の2、十の位に3-1の2、答え22とやるらしいです。はやく修正してあげなければ。 私のようになってしまいます。

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