雑誌記者として活躍中の堀井さんが、「モノを書く」ということについて語っています。今まで読んできた文章執筆法とはかなり違います。豪快です。
ほめてもらいたい文章を書くな。漢字を減らせ。すぐに改行しろ。
こんな感じです。
また、
美しい日本語は茶道のようなものだ、敬意は抱くが詳しくは知らない。
と言います。
おもしろい。雑草魂的なものを感じます。いくつもの荒業が書いてありますが、その中のひとつを紹介します。
堀井さんは、アマチュアの書き手とプロの書き手の差を、
読者の設定の違い。
と繰り返し言います。アマチュアほど読者の設定が甘く、プロになるほどその設定が厳しくなると。その甘い、厳しいを具体的にこう言います。
アマチュアは「きちんと読んでくれる読者」を想定している。自分の意図に沿って読んでくれて、好意的な同調をしてくれる。そんな読者を設定している限り金は取れない。「あなたに興味などなく、読もうとして雑誌を手にとったわけでもなく、たまたま偶然、その雑誌を手に取りあなたの文章を目にした人間」それがプロの設定する読者なのだ。
そういう読者に読んでもらえるためにはどうしたらいいか。そこが勝負であると言います。そのためには、見出しが大事だと。
いくつもの見出しの中で、「おや、これはおもしろそうだ」「他と何か違うな」と思ってもらわないといけない。
そして、そのためには、
読者を驚かせろ、そうでないと人は聞いてくれない。「今は冬だけど、やがて春だ」なんて見出しでは、誰も注目してくれない。
そりゃそうですね。この見出しでは見てもらえない。これ、ブログと同じです。では、見てもらうためにどういうタイトルをつけたらいいのでしょうか。
堀井さんは「逆説」がいい、と言います。
「痩せたいなら、おもいきり食べろ!」
「デブで汗っかきがモテる時代が来た!」
「日本は世界から孤立した方がいい!」
「八百長がスポーツを発展させる」
このくらいやらなきゃだめだ、と言います。
怪しい商品のキャッチコピーや、自己啓発まがいの書物のタイトルにもよく使われていますね。つい手にしちゃうなあ。コンビニに置かれている本ってこういうタイトル多いように感じます。説得力ありです。