読書生活 

本もときどき読みます

家族がうつになったらすること

1 すぐに休職の手続きを取る

 今の状態で出勤しても体や心の状態はよくなりません。本人が言いづらそうであれば、本人のかわりにパートナーや親御さんが会社に連絡してください。「主人の調子がよくない。しばらくの間お休みを取らせてください」と言ってください。「病院に行って、診断書をもってきてください」と会社の方に言われます。病院はその後行けばいいのです。郵送でもかまいません。その電話を一本入れるだけで、しばらくの間お休みが取れます。

 大事な人が死ぬかもしれません。急いでください。

 

2 病院に連れていく

 1と入れ替えてもいいです。だるい、眠れない、ゆううつだ、と自分の症状を伝え、しばらく休ませてもらおうと考えていますと医師に告げてください。医師は診断書を書いてくれます(診断書には3000円ほど費用がかかります)。一緒についていってあげてください。一人だと行かない可能性があります。

 精神科、心療内科などに行きます。最近はとても混んでいて新規の患者を受け入れない病院も多いです。評判のよい病院に行けたらいいのですが、とにかく診断書をもらうことが優先です。

 

3 職場に診断書を送る

 1の電話を一本入れておけばよいのですが、診断書をおくり休職の手続きをしっかりとれば、復帰もスムーズにできるようになります。休みを規約にしたがって取れば、職場でもそのための人員補給ができるので、ぽつぽつ休むより会社にとってメリットがあります。人員補給ができないと、休んでいる方の仕事が他の方にまわります。他の方からの視線も厳しくなります。だから、きっちり規約にしたがって、すぐお休みしましょう。しかし、このことは患者さんは知らなくてもいいことです。

 

4 通院しているか、しっかり確かめる。

 しばらくの間は一週間に一度ほど通院するように言われます。その方にあった薬をいろいろと試す期間です。気のもちようでなんとかなる、とか、気晴らしにどっかに行く、という言葉かけや、「自分を変えよう」という自己啓発書や「なんとかなるさ」というふわふわ本の類でなんとかなる期間はとうに過ぎています。

 薬の効果はあります。もちろん、薬を飲んで悩みが解決するということではありません。感覚が鈍くなる、という感じです。張り詰めた状態から、分厚いゼリー状の膜で全身をおおわれるといった感じです。

 うつの症状は様々で、その症状にあわせて薬も数種類あります。患者さんとの相性があり、効く薬と効かない薬があります。また、量も試します。服用してから2~3日しないと効果があるかどうかはわかりません。だから、一週間に一度は通うようです。

 「アモキサン」「トリプタノール」「サインバルタ」「ハルシオン」「ロピプノール」「ソラナックス」などなど。

 お薬手帳を見れば、どのような薬が処方されているかわかります。飲んでいるか確認してください。また、ときどき一緒に病院に行って医師から説明を聞くといいでしょう。

 

5 副作用を確認する

 倒れる人がいます。朝礼でばたんと倒れる、あれです。「立ちくらみの極致」といったところです。アバターという映画がありました。現実世界の人間がパイプを抜かれると、アバターがスイッチオフ状態になって倒れます。あんな感じです。

 しばらく横になって寝る、立ち上がって数歩歩いたところでくらくらして体がしびれてくる、「しまった、忘れていた」と思っていてももう遅いです。あとはズドンと倒れます。膝から崩れ落ちるわけではありません。頭から一気に倒れます。170cmくらい高さから頭を床に落とす、これくらいのダメージです。板の間なら凄まじい痛さですが何とかなります。ただ、打ち所が悪いと救急車です。

 

6 好きにさせる

 副作用がおさえられたら好きなことをさせてください。会社からの連絡は、本人以外の方がしてあげたらよいのかと思います。ただ、泊まりの旅などはやめさせた方がいいでしょう。

 

 とりあえず、ここまできたら自ら命をたつことはないかと思います。あとは、復帰の問題です。休職を延長するか、転職するか、退職するか、みなさんで話し合ってゆっくりゆっくり決めてください。

 うつ病の方に「がんばれ」って言うなとよく書いてあります、わたしもそう思います。わたしが言われてきつかったのは「家族がいるんだから、家族のためにもがんばれ」という言葉です。息子のことが大好きでした。今もです。息子のためにもがんばらなければいけない、そう思うと逆に死にたくなりました。なぜかはわかりません。