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「尿意」 尿意測定器を開発しよう

 正月に家人と息子を連れて嫌々帰省しました。渋滞に巻き込まれ、通常4時間のところを7時間もかかりました。

 

 運転中、強烈な尿意に襲われました。出発前に、テーブル上の開栓済みペットボトル(コーラ1.5l)を飲み干したのが悪かったようです。もちろん、1.5l全てを飲んだわけではありません。残っていたのは3分の2くらいでしたから。 

 疼く膀胱を気にしながら、コンビニやガソリンスタンドなどトイレが借りられそうな店を探したのですが、見つかりません。でも、この時点ではまだ大丈夫でした。

 ところが、次第に渋滞は激しさを増し、ゆるゆる動いていた車がついに止まりました。膀胱は、疼くどころではなくパンパンです。「限界だと決めたらそこで終わり」と、漫画『リアル』にありました。まだ限界じゃありません。 

 しかし、進行方向を先まで見ても店どころか民家すらありません。そこで「周辺のコンビニすべて」をナビで探しました。すると、500m先を左折した地点のファミマがモニターに表示されました。

 

 あと少し、というところで車がピタリと止まりました。もうだめです。ファミマまで、とてももちそうにありません。

「我慢したら膀胱って破けるの?」という小学生が考えそうな素朴な疑問や、

「車内にある飲みかけのペットボトルに、局部の先端を上手にあてがったら、放出できるの?」

などというユーチューバーが試しそうなことが頭をよぎります。

 「あきらめたらそこで試合終了ですよ」と『スラムダンク』で安西先生が言ってました。まだ、終わってない。さあ、これからだ。

 

 左折すると、ファミマが見えました。まだ店にはついていませんが、助手席で寝ている家人を起こし、ハンドルを握らせ、もだえながら店内に入りました。そして、虚ろな目でトイレを探します。

 店内の奥に、今時珍しい手作りの暖簾が見えました。トイレはその向こうにあるようです。暖簾をくぐるとT字になっています。正面の壁に「右は事務所、左がトイレ」という手書きの表示がありました。左を向くと、確かにトイレはありました。しかし、そのトイレは一つしかなく、しかも使用中で、さらにトイレ待ちと思われる女性が立っていました。

 

 「女性は男性に比べてトイレが近い」というのがわたしの経験則です。女性はトイレによく並びます。時には行列が女性トイレ内でおさまらず、外まであふれ出ている光景も見かけます。そこで並ぶ女性はずいぶん余裕な様子です。切羽詰まってそうな人はいません。スマホを操作している人までいます。「まだそれほどでもないけど、一応行っとこうか」という雰囲気があります。あれは演技ですか?

 男性のトイレ待ちは結構悲惨ですよ。おしっこ待ちの列はまだいいです(今回のわたしのようなケースは極めてまれです)。悲しいのは個室待ちの行列です。この世の終わりのような苦悶の表情を浮かべている人ばかりです。おなかの大噴火により、噴火口にまでマグマが来ている状態ですから。

 

 その女性も余裕な様子です。その後ろに並びましたが、わたし、立ってられませんでした。「お金渡すから順番変わってくれ」って思いました。そして、なんとか間に合い、用を足すことができました。

 あれから数日経ちますが、膀胱の様子がどうもおかしいのです。尿意がなくてもトイレに行くとそこそこ出ます。尿意に鈍感になったとでもいいますか。あれだけのピンチを味わったあとなので、より敏感になっていてもよさそうなものなのに…

 

 膀胱におしっこがたまっている状況を教えてくれる機械があったら、と思います。名前は「尿意測定器」とでもしておきましょう。開発されたらきっと売れると思います。脳が尿意を確認する前に、無意識レベルで尿意がわかるもの、そんな感じです。具体的には、モニターに「何時間後、何時何分に限界が来る」と数値で出て、ボタン1つで「あと何時間何分」と表示を切り替えられるものです。

 長距離トラックや飛行機の運転手など長時間拘束される職種の方はもちろん、介護施設でも重宝されると思うのですがいかがでしょう。尿意を感じとることが難しい方や、尿意を感じたとしても自分で排泄できず、タイミングよくそのことを介護師さんに伝えられない方がいるのではないでしょうか。

 

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