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ジェンダーギャップ考 M1とW1を比較して

 私はW1で笑ったことがありません。その理由を考えてみました。W1で笑えないのは、自分の中に女性差別があるからだと考え、毎年「今年こそ笑わせてくれ」とか「今年こそ自分の差別意識がなくなっているはず」、また「あまりに男子、女子と考えるのは逆差別につながるから、今年は気負わず見よう」など訳の分からない気持ちでW1を見るのですが、今年もダメでした。いつか、W1で笑える日が来た時、それは自分の中の男女差別がなくなった日だと考えています。

 芸能界は一般社会と同様にジェンダーの影響を受けやすい環境です。特に漫才やコメディの世界では、歴史的に男性が主導してきた背景があります。このため、芸人=男性とか、女性芸人はおもしろくないという土壌が存在するのかもしれません。視聴者の意識や期待も重要な要素です。「女性芸人はつまらない」という先入観が存在することは否定できません。これはメディアが描く女性像や過去の成功例が男性に偏っていることから来るもので、視聴者の期待や評価が無意識のうちに男性寄りになっていることが、女性芸人が評価されにくい原因の一つかもしれません。

 W1は、女性芸人が自身の才能を発揮し、評価される場を提供する大会です。しかし、笑いの質がM1と比べて劣ると感じるのは、視聴者の期待値や比較の対象が異なるためかもしれません。また、女性芸人がM1と同じ土俵で競い合う機会が増えれば、W1の存在意義も再考されるべきかもしれません。

 男女に知能差はないというのはもはや常識になっています。しかし、いまだに大学進学率は女子に比べて男子の方がかなり高い。ちなみに東大の学生は8割が男子で、女子は2割ほどしかおらず、東大の女性教授は1割にも満たないとのことです。これは社会全体に根強く残る性別役割分担や期待の影響を反映しているのでしょう。女性が進学やキャリアにおいて直面する壁は、家庭や職場、社会全体におけるジェンダーバイアスと深く関係しています。これらのバイアスが、女性の進学やキャリア選択、さらには芸人としての活動にも影響を与えている可能性があります。

 最後に、笑いの価値や評価基準についても考えてみる価値があります。笑いは主観的なものであり、個々のバックグラウンドや経験に大きく依存します。ジェンダーや文化的背景が異なると、同じネタでも感じ方が異なることがあります。

 今年もM1が始まりましたが、決勝に女性芸人は1人もいません。あ、書いてるうちにヤーレンズが終わってしまいました。