読書生活 

本もときどき読みます

『アフリカのことわざ』は人類みな兄弟を再確認する希望の書

 最近、日本もアメリカも移民問題でもめている。アフリカから来た留学生が、バスケの試合中に起こした審判への暴行も記憶に新しい。

 アフリカから来た彼を悪者にする前に、彼のことをよく知ろうとする必要があるだろう。よく知らないものを悪く思いがち、どこかで聞いたことがある。若者の荒れをスマホのせいだという高齢者は、案外スマホのことをよく知らないようにだ。移民問題で騒ぐわたしたちは、アフリカだけでなく、諸外国のことを知らなすぎるのかもしれない。

 この「アフリカのことわざ」には、日本から遠く離れたアフリカ大陸で生まれたことわざが多数掲載されている。子どもの読みものかと思ったら大間違い。深い味わいに驚くと共に、アフリカ生まれのことわざが、日本人のわたしにも共感できるものが多い。人類みな兄弟を実感させてくれる。

 本書は「人生」「仕事」「愛」「道理」、この4つの章で構成されている。ここでは、わたしが気に入ったアフリカのことわざを10挙げる。一つでも気に入るものがあれば、本屋で手に取ってほしい。

 

地べたの上の果実はみんなのものだけど、木の上のそれは登ることができる人のもの。~ジンバブエのことわざ~

 落ちてる果実は誰でも採れるが、樹木に実る果実はその木に登ることに挑戦する人のためのモノ。

 

3人の人間とは付き合うな。

貪欲なしみったれ。喧嘩っぱやい臆病者。自省好きの痴者。~ソマリアのことわざ~

ニジェール川でさえ、島をよけながら流れなくてはならない。~ナイジェリアのことわざ~

 ナイル川、コンゴ川に次ぐアフリカ3番目の長さを誇るニジェール川。この大河をもってしても、避けて通らなければならない島がある。人生には不可避なモノがある。

ラクダは重い荷物には耐えられるが、縛り方の悪いロープには耐えられない。~ソマリアのことわざ~

 大変な仕事には耐えられるが、納得のいかない理不尽な指示には耐えられないモノ。

ライオンの住処に子羊を見たら、子羊の方を恐れよ。~マリのことわざ~

 一見して怖そうな人より、か弱そうに見えて内に秘めた策を持つ人こそ恐れるべき。

やかましくさえずる鳥は、まったく巣作りしません。~カメルーンのことわざ~

 口を動かす前に手を動かせ、ということ。

 

シマウマを追っても必ず捕まえられるわけではないけれど、捕まえた者は追っていた者。~アフリカ南部のことわざ~

 『はじめの一歩』に出てくる鴨川会長の名セリフ「努力した者が全て報われるとは限らん。しかし! 成功した者は皆すべからく努力して おる!! 」はここからきていたとは。

一生を羊で生きるよりも、一日をライオンとして生きた方がいい。~ガーナのことわざ~

 イタリアの政治家、ムッソリーニの言葉として紹介されることも多いとか。

幸福な男は愛する女と結婚する。もっと幸福な男は、結婚した女を愛する。~国不詳~ 

愛を持続するのは難しい。

10

早く行きたいなら、ひとりで歩いてください。遠くまで行きたいなら、他のものと共に歩いてください。~国不詳~ 

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