「どうして本を読んでるの?」
なんて答えたらいいんでしょう。「読書はしないといけないの?」という質問とは少し違う気がします。少し前、「大学生の本離れが進んでいます」というニュースが流れました。新聞でもたくさん意見が出ました。わたしもブログで書きました。
この中には、朝日新聞の記事もリンクしてありますので、お時間がある方は御覧下さい。
読書をする理由
読書をする理由を、いろいろな方が語っています。大きく3つあるような気がします。みなさんは、どれですか?
一つ目は、
自分の世界を広げるため
です。「知識を得るため」「表現方法を知るため」「他人の人生を知るため」「複眼的思考をもつためです」というタイプです。「不安を和らげる」というのもこちらに入るかなと思います。
二つ目は、
違う世界に浸るため
です。作家の書いた世界観に身を委ね、主人公と一緒になって冒険したり謎を解いたりする楽しさを味わうため、というタイプです。
三つ目は、
活字中毒で、何か読んでないとおちつかない
です。
「どうして本を読んでるの?」と聞かれたら、この中のどれかを答えたらいいのかな、と思いますが、案外どれもあてはまっているような気がしませんか?知識欲、好奇心、などなど。でも、いい大人が、「謎解きをしたいからです」とか「冒険したいからです」と言うのは、わたし的にはあまりかっこいいとは思えないのです。もちろん、他の方がそう答えられてもいいんですよ。まあ、かっこいい答え方を考えている時点でかっこ悪いのですが、その問題は今回は置いときましょう。「世界を広げるためです」と答えるのも、なんか気恥ずかしいです。「お勉強してるのね」感が気になります。三つ目の「活字中毒」というのも鼻につきませんか?
施川ユウキさんと角田光代さん
先日、『BRUTUS』という雑誌を立ち読みしました。たまたまその時の号では「読書入門」という読書の特集をやっていました。その中で、たくさんの著名人や作家が読書について語っていました。わたしは、2人の考えがかっこいいと思いました。
一人目は、漫画家の施川ユウキさんの「読書家風の気取り方」です。詳しくは、ここに書きました。
未読の本や作家ですらも「一度挑戦したけど、挫折したな」と笑ってやり過ごすのが、かっこいい読書家風の気取り方だと。そして、「逆に無理して読んで語っちゃう方が『読書家でありたい』っていう必死感が出ちゃう」と言います。なるほど。よくわかります。
二人目は作家の角田光代さんです。この方は家の中に本が散乱しているのだそうです。どの部屋にも風呂にもトイレにも!
どうして、そんなことになっているのか、というと‥。
活字中毒だからではない。読むものがないと、退屈なのだ。ただ風呂に入る、ただ歯を磨く、ということが退屈すぎて、できない。でも本を読みながらなら、さほど苦にならずにできる。
これだ、と思いました。「どうして本を読んでるの?」と聞かれたら、わたしは「どうして読書をしたほうがいいの?」という質問に無意識に置き換えて答えようとしてしまいがちです。
本を鞄にいつも入れているのは‥。そのわけを真剣に考えてみます。別にその本の世界に浸りたいわけではありません。正直おもしろくない本の方が多い(これは作家さんへの悪口ではなく、個人の趣味の問題です)です。わたしが本を鞄に入れているのは、暇つぶし、退屈だからです。「スマホよりためになるぜ」という感じを出すのは逆にかっこ悪い。「活字中毒」と思われるのもかっこ悪い。そこで、
退屈だから。
どうですか?