読書生活 

本もときどき読みます

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「赤めだか」は立川談志の名言がぎっしり詰まった悩める現代人必読の書。

談志の名言が深い。 立川談春の書いた『赤めだか』が、数年前ドラマ化されていました。ビートたけしが立川談志を怪演していて面白かったです。談春役は嵐の二宮くんでした。 この赤めだかには、談志の名言がいくつも載っています。昭和の芸人ですが、今を生…

不倫とは 「夜明けの街で」東野圭吾

不倫する男 中年男が職場の派遣社員と不倫する。しかし、その派遣社員には殺人の容疑がかかっていることを知り…… ミステリー小説なのですが、不倫の描写に目がいってしまい、ミステリーが頭に入ってきません。 この中年男がアリバイ作りのために、友人に協力…

沖縄戦 「殉国」吉村昭

戦争と沖縄 一少年兵の始点から、沖縄戦を捉えた物語です。 徹底した虫瞰視点の描写によって、現実の沖縄戦を垣間見ることができます。 沖縄を守るために命を懸けて敵を倒そうと意気込んでいた少年が、わずか二か月で一瞬の死をのぞむようになります。 とに…

読書三昧って言いたいんだって 

どうしたら面白い本に出あえるの? 読書をしている人は偉いとか、テレビや漫画より読書の方がいい、という人がいますが、私はそうは思いません。 読書が好きな人は読書をしたらいいし、漫画が好きなら漫画を読めばいい。好きなことがあった方がいいとは思い…

「悪人(下)」吉田修一 生きる 珠玉の名言集

やってやるぞ、と思わされる名言を集めてみました。 無理やり漢方薬の契約をさせられた房枝。その額263500円(涙)。 郵便局に連れて行かれて、怖くて声も出せなくて。 家に帰るとマスコミが家に大挙して押しかけて来る。 どうやら孫が殺人容疑で指名手配さ…

悪人(上) 誰が本当の悪人なのか…か

みんな、普通の人 土木作業員の「清水祐一」 祐一の祖母「房江」 生命保険会社の外交員「石橋佳乃」 石橋佳乃の父、田舎で床屋を営む「石橋佳男」 紳士服量販店に勤める「馬込光代」 努める有名な旅館の御曹司「増尾圭吾」 この6人が主な登場人物です。 増…

宗教と哲学の違い 

宗教は「信じる」哲学は「考える」 最近、有名人が、宗教団体へ出家するため芸能界を引退するとの報道がありました。 昔読んだ本を再読しました。これです。 この本によると、動物は、食欲や性欲を満たすためだけに生きているけど、人間は自我をもっているた…

ジェノサイドの感想

いやー、凄い、壮大なスケール あなたが、アメリカの大統領だったとします。 もしも、地球にUFOがあらわれたらどうしますか?そのUFOが地球を攻撃し始めたらどうしますか? アインシュタインの答えはこうです。 「決して攻撃をしてはならない。人類を…

ジェノサイド(下) 怒涛の後半、読まなきゃ損! 

つながり始める3つのストーリー 日本(コガケント)、ホワイトハウス、コンゴ共和国(イエーガー)、この3点の同時進行です。上巻の続きです。できれば、前日の上巻紹介からご覧いただけたらと思います。 日本 創薬作業中のケントに、見知らぬ女性から突然…

ブックカバーに困っている人にすすめたい。

凄いブックカバーを見つけました みなさんは、ブックカバーを使っていますか?私は、使います。他人に自分が何を読んでいるのか知られるのが恥ずかしいからです。誰も私のことなど見ていません。それはわかってますが、誰も私を見ていないとわかっていても、…

ジェノサイド(上) 極上のエンタメ作品

交錯する三つのストーリー この本の魅力を伝えられるかな。あまり突っ込まないで。大体こんな感じです。 アメリカ(ホワイトハウス)、コンゴ共和国、日本、この三か所で話が進みます。 ホワイトハウス 朝の定例会議に「ハイズマンレポート」という人類滅亡…

高熱隧道 心にゆとりがあるときにどうぞ

160℃の岩盤を破壊するために 昭和14年ごろ、地下にトンネルを掘る話です。まず下に掘り、そのあと横に掘ります。そこそこ順調に工事は進んでいったのですが、最難関区間にてこずります。 まず、そこまで行くのが難しい。下に掘る場所を選定したのでが、そこ…

容疑者xの献身 衝撃的な結末

海より深く、空より高い、献身的な愛 まだ読んでいない人が羨ましいです。 子連れのシングルマザー(母:花岡靖子 娘:美里)が、働いているクラブで知りあった紳士的で裕福な男性(富樫)と結婚します。結婚して、すぐ富樫は仕事を首になります。実は富樫、…

ナミヤ雑貨店の奇跡 なんて素敵な話

美しい布 ~悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。時空を超えて過去から投函されたのか?3人は戸惑いながらも当時の…

「峠(下)」司馬遼太郎

維新史上最も壮烈な北越戦争に散った武士の生涯 継之助は、戦争は避けたかった。官軍の強さはよく知っていましたから、戦えば勝ち負けはわからずとも無傷ではいられません。長岡藩の民が多く死ぬことになります。何としても戦いを避ける、そのための官軍との…

峠(中) 落ち込んだ時にどうぞ

盛り上がる中編 長岡藩に戻った継之助は、重職に就き、洋式の新しい銃器を購入して富国強兵に努めるなど藩政改革に乗り出します。 そして、大政奉還へ。 誰もが責任逃れに回り、筋の通った意見を言おうとしません。 そのとき、継之助は言います。 「諸藩は事…

「峠(上)」司馬遼太郎

越後の雄 河井継之助 幕末の英雄、河井継之助の話。1968年刊行とのこと。もっと早くに手に取ればよかったと後悔しています。その分、余計に惑うことなく人生をより充実させることができたはずだと思います。自分の人生を振り返って、あの辛かった時、苦しか…

「燃えよ剣」司馬遼太郎

新選組副長、土方歳三の活躍を描いた作品。「竜馬がゆく」と並び幕末ものの頂点をなす長編、とあるがその通りだと思います。ふぬけた武士ばかりだった幕末、農民の家に生まれ、その時代の誰よりも武士に憧れ、誰よりも武士のように生きた男。命を投げ出すこ…