9月に、こんなニュースがありました。
世界最高齢だったジャマイカの女性が9月15日に亡くなりました。それにともない、鹿児島県で暮らす国内最高齢の田島ナビさん(117)が世界最高齢となる見通しとのこと。
1900(明治33)年8月4日に同町で生まれた田島さん。サトウキビやゴマなどの栽培に励みながら、夫の富二子(とみにし)さん(故人)と7男2女を育てた。家族によると、子ども、孫、ひ孫、やしゃご、来孫(らいそん)(やしゃごの子)を合わせると、160人を超えるという。
田島さんは1900年生まれ。20世紀に生まれた最後の人だそうです。田島さん、どんな気持ちなんでしょう。もちろん世界最高齢はおめでたいことですが。
地球上の人間がすべて年下です。先輩も同級生(世界中さがせば、同級生はいるかもしれません)もいません。知り合いの下級生すらいないでしょう。田島さんが20歳のときに生まれた子が、今97歳ですからね。
『ナポレオンの戴冠式』という絵があります。これです。
1807年に書かれた絵です。たくさんの人が、ジョゼフィーヌをうらやましそうに見てます。2017年現在、ここに描かれている全ての人はみないません。でも、絵は残っています。
だからなんだ、と思うかもしれません。年取ったからかなあ、ひょんなことから、「死」を連想することが増えてきました。でも、死が怖いわけじゃないぞ。
ちなみに、太宰治も、坂口安吾も、安部公房も、吉村昭も、司馬遼太郎も、中島敦も、藤沢周平も、三島由紀夫も、みんな田島さんより後輩です。そして、みんな故人です。
田島さんは、川端康成(1899)や芥川龍之介(1892)、宮沢賢治(1896)と同世代です。もう歴史上の人物です(ちなみに、森鴎外は1862年生まれ、島崎藤村は1872年生まれ)。