『バーナード嬢曰く』という漫画を読みました。この『バーナード嬢曰く』に出てくる、読書家を気取る主人公の女子高生「町田さわ子」と、彼女のまわりにいる個性的な本マニアのやりとりがとてもおもしろい。なぜ町田さわ子の「バーナード嬢」は、アイルランドの劇作家「ジョージ・バーナード・ショー」からきています。
『バーナード嬢曰く』の中から「これ、わかる」と思った読書家風名言をピックアップしてみました。
ダメだ!私、リストの半分も読んでないわー。
読んでない自分を自虐的に落としておきながら4割くらいは読んでる雰囲気をさりげなく残す…。でも本当は一冊も読んでない。ゼロ冊なのに「半分も読んでない」という言い回しは成立するという、さわ子の理屈です。
村上春樹?ああ、私、ノーベル賞獲る前から読んでたわ…。
さわ子が、村上春樹がノーベル賞を獲ったらさりげなく言おうと準備しているセリフです。本好きの友達からは「みんな読んでるわ」と突っ込まれています。わたしの個人的見解ですが、村上春樹はこれからもノーベル賞獲れないと思います。
あらすじ本について、ひとつの答えが出たよ。収録されている数あるあらすじの中で、人が一番読書欲をそそられ、且つ読んでいて楽しいあらすじ…それは、既に読んだ本のあらすじ…!
本を読まずに読書家を気取りたいさわ子は、よくあらすじ本を手に取ります。それで読んだことにするのです。ところが、そのあらすじ本すら読めないと嘆きます。そんなさわ子が放った言葉です。すごくよくわかります。そう、そうなんですよ。
その本、読んだきっかけは何?と聞かれ、「『王様のブランチ』で紹介されてたんだ」と言うのは間違いに見えて正解。その分け隔てない感が逆に本の虫って感じ。
読書家の遠藤君に質問したら「王様のブランチで~」というさりげない返答がありました。あ、それもあり、逆にかっこいい、と。
「晴耕雨読」をもじった「晴読雨読」という言葉が、読書家の間で結構人気。
さわ子が思いついたのですが、読書家の遠藤君がググったら4万7千件以上出てきます。書店員さんのフリーペーパーのタイトルにもなっているとのことです。
神林(本好きの友達です)って、表紙が黒い本、おしゃれだと思ってるよね。
さわ子のセリフです。うちの家人もそう思ってます。たぶん。
特別な状況で読んだ本は特別な本になる。
この言葉を信じて、さわ子たちは嵐の中で本を読みました。
死ぬまでに読める本なんて世界中にあるおもしろい本の極一部なんだし、すべてのネタバレから耳をふさぐ必要はないぞ。
友人の神林のセリフです。
(書店に並んだ新刊を見て)「へー、こんな表紙なんだ。私、芥川賞とか獲るずっと前の『文学界』掲載時に読んだから、知らなかった」
さわ子が言おうと準備している言葉です。
川端康成の『雪国』の冒頭の文章。国境の長いトンネルを抜けると…の「国境」は「くにざかい」と読むか「こっきょう」と読むか度々議論になるらしい。
読書家の神林さんが教えてくれました。知らなかった。
読書家の人って、自分にどんな本が合うのか知ってるから、見切るのも早いって聞きますよ。
読書家の長谷川さんのセリフです。かもしれない。
読んだキッカケを聞かれた時、「学校の図書室にあったから…」と答えるべき二大マンガは「火の鳥」と「はだしのゲン」。
この漫画でそう書いてありました。わたし、はだしのゲンは読んだんですよ。まだ、火の鳥読んでない。もう読む機会はなさそうです。読まなきゃダメかな?
ショウペンハウエルの『読書について』を読書すると、読書に対するネガティブな意見が載っている…。矛盾してない?
さわ子のセリフです。わたしもそう思いましたよ。
(三浦しをんの『舟を編む』を読んで)タイトルと装丁から結構難しい純文学的なフンイキの小説だと思ってたんだけど…超読みやすいライトなエンタメ作品だった…。遠藤君(本好きの友達)あらかじめ忠告しておくけど、この本…読破したところで自慢できないよ!
さわ子のセリフです。読みやすいことは確かです。
どんな優れたレビューよりも、友達が楽しそうにしゃべっている姿を見るほうがずっと強く「読みたい」と思わせられるんだって。
さわ子が吉村昭の『羆嵐』を熱く語ります。その姿を見た長谷川さんの一言です。さわ子さん、『羆嵐』おもしろいよね。最高ですよ。みなさんもぜひどうぞ。