読書生活 

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今さらだけど、人を殴らないで。

体操コーチの暴力シーンを見た。

 体操の某コーチのビンタシーンを動画で見ました。はり倒してる。ビンタではなく掌底が入っています。

 日大のアメフト問題もドン引きでしたが、このビンタ問題はさらに根が深い。あんな掌底食らってた女の子が、「掌底するけど、あのコーチが好き!」と言ってるわけですから。あれだけの掌底を食らっているのに好き!って言ってるんですよ。

 昔もいました。子どもを殴る先生。ただ嫌われるだけの体罰先生ばかりでしたが、今回のように、子どもや親から信頼されてるサディステックな体罰使いもいました。 

今さらだけど、人を殴らないで。 

 スポーツの(特にレベルが上がれば上がるほど)世界では、体罰を肯定する人間が多いようで、その風潮はわたしのようなインドア派がいくら声をあげても全く変わりません。

 そういう方にはこの記事を読んでもらいたい。元ラグビー日本代表監督のエディの言葉です。2013年1月23日の朝日です。

私は13歳の時、1回だけ体罰を受けた。授業で、米国人の先生に髪の毛をつかまれた。私は「また同じことをやったら許さない」とその場で言った。何が許され、何が許されないか。豪州では小さい時から、その線引きを親が教える。

ラグビーコーチになる前、シドニーの高校で教師をしていた。豪州では約30年前から体罰がなくなっていき、今では法的にも整備された。指導者の威圧的行為に対する両親からの抗議も、日本とは比べものにならないほどある。

そもそも、練習とは選手の体の強度や速さを鍛えるもの。コーチはまず、そのための環境を作らないと。そして、練習できない選手を変えることが指導者の大きな仕事になる。選手に暴力をふるうのは、自分の責任を選手になすりつける行為でしかない。

日本のラグビー文化を学ぼうと、テレビドラマ「スクール・ウォーズ」を見た。高校の先生が選手をたたいていた。私は選手への尊敬の念がないと思った。短期的にはいいかもしれない。でも、ああいう行為が長期間にわたって、いい影響をもたらすことはない。

 エディもスクールウォーズ見てるんですね。

 落合は中日から体罰をなくすのに5年かかったと言ってます。たかだか120人のグループ。絶対権力者の監督が「手を出したら絶対にクビにする」と言えばすぐおさまるだろうと思っていたのに、5年もかかったと。わたしたちの世代で体罰をなくすのは無理だろう、悲しいけど体罰はそれくらい根が深い、と言ってます。

 エディは自分の髪の毛を掴んだコーチに「また同じことをやったら許さないぞ」と言ったとのこと。諸外国では指導者の体罰にガンと首を振る子どもが多く、ブラジルのサッカーコーチに選手を殴って指導するか聞いたところ「そんなことしたら殴り返される。サッカーと暴力は関係ないだろって」と言ったとか。

 こういう子どもは、日本にもいるんですよ。中田ヒデは中2の時に、試合に負けて怒った監督に馬鹿げた距離の罰走を命じられても走らず、それどころか監督に向かって「監督も負けたんだから一緒に走りましょうよ」と言ったとか。ヒデだからこうやって話題になりますが、普通の子がヒデのような行動を取ったら、さらにペナルティを追加された後、「だからあいつは伸びなかった」と捨てられるだけでしょう。

 

 きれいごとを言うな!と言われそうですが。きれいごとじゃなくて、当たり前のこと。わたし、だいぶ怒ってます。体罰するな。もう、人を殴るなよ。いい加減にしてよ。 

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