5月4日が「みどりの日」だと最近知りました。
4月5日の朝日新聞に「みどりの恵み」という記事がのっていました。日本色彩研究所の名取さんという方の記事です。
名取さんによりますと、「みどり」はもともとは色の名前ではなく、みずみずしく生命力あふれる様子を表す大和言葉だったそうです。そして、「みどりの黒髪」や「みどりご」を、
「みどりの黒髪」は緑ががかった黒髪ではなく、いきいきとつやのある髪のこと。
「みどりご」は、生まれて間もない生命力にあふれる赤ちゃんのこと。
としています。いや、知らなかったですね。
また、古代の日本では、色の名前は、白、黒、赤、青の四つだけだったと言われています。当時は青が、いまの緑も含む広い色を指してて、「青りんご」や「青菜」などの表現にその名残が残っているとのことです。
平安時代に緑が色名になりましたが、四季が豊かな日本では、もえぎ色、若竹色などの植物にちなんだ緑系の名前がたくさん生まれました。「緑」はもちろん、「翠」も「碧」も「みどり」と読みます。この違いは、
「緑」:植物のみどり
「翠」:カワセミの明るく鮮やかな青みどり
「碧」:輝く宝石のような青みどり
とのことです。そうですか。なるほど。
自然で心地よいイメージの緑は、だれもが好感をもち色の好き嫌いの調査をすると、常に一位を争うほどの人気なのだそうです。ただ、一つおもしろい特徴があるといいます。名前だけで尋ねずに、実際の色を見せながら調査すると、ベスト5ぐらいまで順位が落ちるのだそうです。
その理由を、私たちが好きな緑は植物に由来する緑であり、実際に見せる人工的な色は好感度が下がるからだと言っています。植物に由来する緑は、生き物をはぐくむ生命力そのものであり、そのとき森の香りや酸素を吸い込む感覚も思い起こしているとのことです。