リーダー論をよく読みます。野村克也監督の本や、ドラッカーのマネジメント論なんかも。学生のときから読んでました。「出世してから読む本」を読んでいたわけです。それより先に「出世するために読む本」を読んでおくべきでした。せっかく蓄積した部下の心をつかむための知識が生かされず、部下のまま社会人生活も折り返しです。完全にやらかしました(涙)。その知識を腐らせる前にはき出そうというのが、今回の話です。
「過去は美化される」とよく言います。自分が今までやってきた仕事を美化し、部下に語る上司、よくいます。まるで、自分がイチローや松井のような名選手だったといわんばかりに。あなた、三振ばっかりしていたじゃないか。
べつに三振が悪いといってるわけじゃありません。みんなが名選手だったわけじゃない。打率一割台で終わる、悪夢のようなシーズンは誰にでもあります。その失敗や負けを笑い話や教訓として話せばいいのに、失敗をなかったことにして成功談ばかりする。みんな、あなたのその黒歴史を覚えているのに。 そういう「ええかっこしい」的な態度がいやなんですよね。失敗は糧になるのに。
「人のふり見て我がふり直せ」です。こう見えて、職場では中間管理職のわたしです。ほんの少しですが、部下のようなかわいい後輩がいます。その後輩と接するときには、わたしが培ってきたリーダー論を発揮しています。こんな感じです。
1 責任を取ること
2 部下に任せること
3 失敗を受け止めてアドバイスすること
1 責任を取ること
上司で一番重要なのは責任を取ることだと思っています。仕事はいつもうまくいくとは限りません。むしろ成果がなかなか出ず、苦しいことがほとんどです。部下が失敗やミスをした際に、上司は、自分の責任として対処する態度と能力が問われています。「オマエが責任を取れ」「どうしてくれるんだ」という態度は論外です。
まあ、そんなこと言ったことありませんし、言うキャラでもないですし、言ったって逆ギレされそうですが。
2 部下に任せること
部下を管理する気持ちを極力抑えます。日本では上司のことを「管理職」と呼びますが、そうですかね。上司は部下を管理する人ではありません。「部下を教育しなくていいのか」「部下のモチベーションをあげなくていいのか」と疑問をもつでしょうが、部下の立場に立てば理解できるはずです。
そもそも大人は誰かに教育されるものではありませんし、モチベーションは上司があげるものでもありません。部下を前向きな気持ちにさせる。説教をすればするほど、モチベーションをさげるだけです。
また「褒めて育てる」という考え方も疑問です。大した仕事もしていないのに「すごいね」「よくできました」と褒めないと、やる気を起こさない大人はどうかしています。なんでも褒める上司は無責任です。勘のいい部下にお世辞をいっても効果はないし、わからない部下を勘違いさせてしまう危険性もあります。
3 失敗を受け止めてアドバイスすること
人間は好きな仕事ができなければ、せめて好きなように仕事を進めたいと思います。しかし、好きなようにさせると失敗も増えますが、上司の役割とは失敗をしっかりと受け止め、アドバイスすることです。
部下が仕事を進める側からは「ああでもない、こうでもない」という職人気質の上司は、部下のやる気を削ぎます。その上、部下は「詳細な指示を受けてミスをすれば自分の責任になる」と緊張してしまう。「大丈夫。君に任せた以上、責任はわたしにある」あなたがこう口にしたら、部下はどれほどあなたを信用し、モチベーションをあげるでしょうか。たとえば失敗しても、時間をおき、「今度はこうすればいい」とアドバイスしてあげれば、実力をつけていくはずです。
このブログ、職場のあの方たちが見たらなんて思うでしょう。笑わせるなと笑うでしょう。たぶん。
わたしはみなさんのこと好きですよ。たくさんの愛をもっています。あなたたちのおかげで、わたし、毎日楽しいです。ありがとう。