読書生活 

本もときどき読みます

毎年、仙台市とほぼ同じ人口が消えている 『自殺予防』高橋祥友

 毎年、世界中で約100万人が自らの手で命を絶っています。この数は、殺人(約50万人)や戦争に関連する死亡(約30万人)を合計したものよりも多いとのことです。

 日本の場合、主な自殺者層は青年と中年です。

 青年の場合、

性格的な問題、家族との関係、衝動性などが複雑に関係しあって自殺に至る。

とあります。

 また、中年の場合、

周囲の人々からは、社会的な役割を果たし、充実していて、幸せそうで、何の問題も抱えていないと見られているかもしれない。しかし、本人は今自分が置かれた状況、そしてこれから残された状況、そして、これから残された人生で何ができるかといった不安から自殺に至るケースが多い。

のだそうです。

 中年の私は、この気持ちすごくよくわかります。俺ってナニシテンダロ、いつもそう思ってばかりいました。そう思わない人間なんているのでしょうか。「おいしいものを食べましょう」「自然に触れあいましょう」などとよく言われましたが、そういうことではありません。

 全くのどん底になった人は、案外自殺をしないものだとどこかで聞いたことがあります。全くの無気力な人も自殺をしないとも聞きます。躁うつ病の人はわりに自殺をしやすいが、躁のときはもちろん、うつのときも自殺はめったにしないと言います。躁のときは気分が高揚していて自殺とは無縁だろうし、どん底のうつのときは、自殺をする気力さえない、と言います。危ないのは、うつから躁へ移るときらしいです。そういう時は、気分はうつのままなのに、ちょうど自殺をするくらいの元気が出てくるようです。

 ふと気づくんですよね。客のために尽くしてきたオレはバカだった、今日から自分のために生きるぞ、金はなくとも餓死しなければそれでいい、と。

 重要なことは、状況を的確に判断し、過去にとらわれずに生き方を選ぶことです。一番大事なのは、国でも会社でもなくお客様でもなく、あなたとあなたの大切な人です。