読書生活 

本もときどき読みます

小説を書くのは難しい

本は少し読むけどweb小説はほとんど読まない。魔法や異世界設定の話が多そうなイメージがあって、没入できそうにない。 ただ、web小説を甘く見てはいない。魔法でも異世界でも、小説づくりは、自分が書きたい設定や世界背景を定めただけではうまくいかないこ…

「かぜのひきかた」辻征夫

かなりマイナーな詩集だと思う。街の本屋で見ることはまずない。出版社は「書肆山田」(しょしやまだ)と、これまたマイナー。 気に入った本をあまり紹介するのは少し気が引ける。メジャーな本はずいぶんこのブログで取り上げてきたが、こっそり隠しておきた…

「あいつは死ぬだろう」と言われたい。

小田急線車内で、男が女性を切りつけた事件が先日あった。車内の緊迫した動画もテレビで見た。 数年前、東海道新幹線の車内で斧?を振り回した男もいた。確かあの時は、助けようとした男性が殺されたと思う。小田原駅が大変なことになったのでよく覚えている…

夢中になっている漫画

今、夢中になっている漫画がある。伝説の殺し屋の物語「ザ・ファブル」だ。岡田准一主演で映画化もされている。この前2作目も上映された。まだ見てないけど。 僕は腕力にコンプレックスがあるので、昔から圧倒的なキルスキルを持つ人間に憧れを持っていた。…

Humankind 希望の歴史 必読の書

副題に、「人類が善き未来を作るための18章」とあるので、巷にあふれた生き方指南の本かと思い、一度はスルーしたのだけれど、(僕は何冊もの人生指南本に指南されてきて、この類いの本には辟易としている)、帯にあの「サピエンス全史」の著書、ユヴァル・…

コンプライアンス

硫酸をかけて逃げた男が逮捕されたというニュースを見た。ずいぶん前から世界中で使われている硫酸。僕は見たことないけれど、どこでみなさん手に入れているんだろう。この硫酸を扱った僕の知ってる本と言えば、江戸川乱歩の「石榴」。この作品では硫酸を顔…

みんなありがとう

職場で仕事をしていたら、窓をトントンする人がいる。見ると、幼児を抱いたお母さんとおばあちゃんがこちらを見ている。近くに引っ越して来る予定で、この子を通わせる保育園が近くにあるはずなのだけど、どこにあるのか分からない、とのことだった。 課長が…

城の水攻め

のぼうの城、という本を読んでいる。備中高松城を水攻めにする秀吉の剛気な戦に憧れた石田三成が、小田原城の配下にある忍城攻略に際して水攻めを行い失敗する、という話だ。映画化もされているので、興味がある方は読んでもらいたい。 城の水攻めと初めて聞…

本のタイトル

アゼルバイジャン共和国。この国についての知識といえば、南コーカサスにあること(南コーカサスがどこにあるかは知らない)と、美人が多いらしいこと(これも実はよく知らない)。 アゼルバイジャン共和国、アゼルバイジャン共和国、アゼルバイジャン共和国…

鼻を撲(う)つとは

鼻を撲(う)つとは 鼻を撲(う)つとは 売柑者之言(ばいかんじゃのげん) とは 如有烟撲口鼻 烟(えん)とは 煤煙(ばいえん)とは 梶井基次郎の「檸檬」に「鼻を撲(う)つ」という表現が出てきます。 あまり、なじみのない言葉です。この「鼻を撲(う)つ…

寒さが背中へかじりついた

夏目漱石「こころ」の一節 寒さを表す表現に、 寒さが背中へ噛(かじ)り付(つ)いた というものがあります。 出典は、夏目漱石の「こころ」です。 「寒さが背中へ噛り付く(かじりつく)」という文言だけ読むと、強烈な寒気が体全体を包み込むというような…

「人間にとって教養とはなにか」を読んで教養とは何かを考えた

「人間にとって教養とはなにか」という新書を読みました。橋爪大三郎という大学の先生が書いた本です。 橋爪さんは、この本で、 教養とは「これまで人間が考えてきたことのすべて」 と、言っています。そして、教養を身につけるために「本を読め」、しかも「…

ウンコはどこから来て、どこに行くのか

「ウンコはどこから来て、どこに行くのか」という本を読みました。小学生と同じくらい、わたし、ウンコネタ大好きです。 この本は、ウンコに真正面から受け止めている良書です。現代に至るまでのウンコの処理の仕方について、きっちり書いてあります。 筆者…

おいはぎ考 おいはぎって、追って剥ぐの?

菊池寛の「恩讐の彼方に」を読みながら考えました。 この「恩讐の彼方に」では、主人公が奉公先の女とよい仲になり、その夫を殺して2人で逃げる。木曽路の山の中で茶屋を開き、金持ってそうな客を殺して生計をたてる。まあ、話はここから盛り上がるのですが…

2020読んだ本 ベスト10

読書ブログなのに、書評を一つも書いてない。 たくさん読みましたよ。Yamaアンテナに引っかかった本はたいてい手に入れて読みました。ただ、感想を書く場がここにあるというのに、まったく書かずに1年が終わってしまった。これは、このブログ「読書生活」の…

広辞苑の挿絵

これをご覧ください。なんだか分かりますか? わたしには、男性器にしか見えませんが、どうでしょう。広辞苑の挿絵です。 広辞苑をみなさんは使いますか?わたしはスマホで検索しますが、それでも分からない時には広辞苑を使います。なかなか重宝します。 今…

ブログを書くために本を読むっておかしくない?

2019.3.08から、1年半ブログを更新しませんでした。理由は、読書が楽しめなくなったからです。読書が先、ブログが後、だったのに、アクセス数やら、更新回数を気にし始めると、だんだん、ブログを書くために本を読むようになっていたんです。ブログを書くた…

置かれた場所で咲けない花

置かれた場所で咲きなさい 置かれた場所で咲きなさい、とは2012年のベストセラーになった本のタイトルだ。今日は、この本を否定的に書く。あくまで個人の感想であり(個人ブログなので当たり前だが)、この本に感銘を受けた人やこの本に救われた人がいたとす…

肝練りにひえもんとり 薩摩の度胸試し

昔の日本には、奇妙な風習がたくさんありました。今日は、その中でも薩摩に伝わる「肝練り(きもねり)」と「ひえもんとり」について紹介します。出典は司馬遼太郎の作品から。 肝練り(きもねり)とは 薩摩にはそういう無茶な鉄砲があるらしい。 みなで輪に…

『私が殺した少女』沢崎のニヒルな台詞を胸に刻み込め

良質な日本のハードボイルド 原尞(はらりょう)の『私が殺した少女』を読み終わりました。年末から様々なミステリーを読んできましたが、これはおもしろい。宮部みゆきの『火車』、東野圭吾の『沈黙のパレード』とは少し違ったおもしろさです。 ストーリー…

本好きのレベル

『本の虫の本』 週刊誌を立ち読みしたら、すごく興味を引かれた本があったので、めずらしくアマゾンで購入しました。その本の名は『本の虫の本』。 装丁もすごくシンプルで渋い。帯にはこうあります。 五匹の虫が寄り集まって、本の世界にまつわるキーワード…

『64』平成がもうすぐ終わる今読むべし。

『64』あらすじ 元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。記者クラブと匿名問題で揉める中、(昭和64年)に起きたD県警史上最悪の翔子ちゃん誘拐殺人事件への警察庁長官視察が決定する。だが被害者遺族からは拒絶され、刑事部からは猛反発をくらう。…

そこらのビジネス書より山崎豊子の『白い巨塔』を勧める理由

「それは嘘です。財前教授の只今の証言は嘘です!」『白い巨塔 p282』 BOOK・OFFで『白い巨塔』シリーズ全5冊を買って一気読み。唐沢寿明主演のドラマ「白い巨塔」の大ファンなのに、原作は未読でした。 おもしろい。ホントにおもしろい。 個性際立つ登場人…

君は宮部みゆきの『火車』をもう読んだか?

この冬休みにも何冊か本を読みました。 この読書生活の中で、もっともガツンときた本が宮部みゆきの『火車』。基本、ミステリーは苦手で謎解きにもさほど興味はありません。だから「伏線の回収がお見事」とか「トリックが秀逸」とか「終盤で何度も物語がひっ…

乙武さん扮するR2を見て感じたこと

年末のガキの使いで乙武さんが出てました。手足のない乙武さんがR2に扮するというネタです。 ムムム ムムムのわけ 『こんな夜更けにバナナかよ』 「障害」表記か「障がい」表記か ムムム 「障害者を笑い物にするな」なんて意識は全くありません。むしろその…

2019 本屋に言いたいこと

近所の駅ビルの本屋で立ち読みしていると、わたしのいる場所に1組のご高齢の夫婦が来ました。どうやら探している本があるみたいです。 おじいちゃんには欲しい本があるみたいですが、おばあちゃんはその本の購入に乗り気でない様子です。ないよ、いらないよ…

2018 読んだ本

今年の読書生活をふりかえる あと1日で2018も終わり。読書ブロガーのはしくれとして、今年読んだ本を思い出してみます。中にはずっと前に出版された本もありますが、読書ってそういうもんでしょ。 今年の読書生活をふりかえる 『人魚の眠る家』東野圭吾 『…

『悪童 小説 寅次郎の告白』 山田洋次監督が書いた寅さんの自伝がおもしろい。 

寅さん、よく見たなあ。何度もこのブログで言ってますけど、昔はよくテレビでやってたんですよ。どうして今テレビでやらないのか不思議に思います。調べてないので確かではないのですが、平成の30年で、寅さん一度もやってないんじゃないかな? 荷物は鞄一つ…

『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください』は猿でもわかる税のおススメ入門書

税金対策って何さ ある作家のエッセイを読んでいたら、「税理士から『車を買ってください』と言われた」と書かれていました。大金持ちは税金対策のためによく高級車を買うそうだけど、どういうことでしょう。羨ましすぎる。 ということで、『お金のこと何も…

「キャッチコピーなら俺でも作れんじゃね?」と思う奴は『毎日読みたい365日の広告コピー』を読んで頭を冷やせ。

コピーライター恐るべし。 「小説は無理そうだけどキャッチコピーならいけんじゃね?」と思ったことがある人は、多いのではないでしょうか。確かに原稿用紙何百枚もの小説を書き上げるのは、(作品の出来不出来はともかく)それだけで常軌を逸した所業だと思…